外国でも特許を取ろう

海外で製品を製造・販売する場合,特許や商標を取得しておくべきでしょう。取得しておかないと,模倣を中止させることができないからです。また,先回りして特許や商標を取得された場合,こちらが製造・販売できなくなるリスクもあります。このように,積極…

オーストラリアでのビジネス

オーストラリアでのビジネスは,オーストラリア最大の都市シドニーのあるニュー・サウス・ウェールズ州か,日本人に人気のゴールド・コーストのあるクィーンズランド州などが始めやすい場所であるといえるでしょう。 オーストラリア人の特徴としては,健康志…

シリコンバレーでのビジネス

皆さんはシリコンバレーがどこにあるかご存知ですか?ヤフー,アップル,グーグル,オラクル等の名だたるIT企業の本社がたくさんあって名前は有名ですが,意外と知られていないのではないかと思います。 ご存知の方もいらっしゃるかとは思いますが,カリフォ…

Business in Texas

ダルビッシュ有のいるテキサス州は日本の大企業も多く進出している州です。テキサス州は、全米第2位の州内総生産を誇る大規模な州です。 面積は、日本の約1.8倍もあります。もともと、テキサスはスペイン領に属していましたが、その後メキシコに支配されまし…

海外進出セミナーを開催しました

2014年2月24日,奈良県中小企業家同友会の北和支部において,『アメリカ進出のイ・ロ・ハ』と題するセミナーを開催しました。イロハというだけあって,これからアメリカに進出しようか,どうしようか,と考えている企業の社長や担当者が約20名集まってくれま…

懲罰的損害賠償(Punitive Damages)

アメリカでは,補償的損害賠償(compensatory damages)の他,懲罰的損害賠償(Punitive Damages)が認められることがあります。 補償的損害賠償は,日本でも認められる相当因果関係のある損害の賠償のことです。 これに対し,懲罰的損害賠償は,実際の損害…

外国判決の日本における執行の要件

外国で出た判決を日本で執行するには,どのような要件が必要でしょうか。 民事訴訟法118条には,要件が定められています。 一 法令又は条約により外国裁判所の裁判権が認められること。 二 敗訴の被告が訴訟の開始に必要な呼出し若しくは命令の送達(公示送…

外国の判決と日本の判決の抵触

外国裁判所の確定判決は,日本国内の確定判決と抵触する場合でも,日本国内で執行することができるか,という問題があります。 この点に関し,大阪地方裁判所昭和52年12月22日の判決(判タ361号127頁)があります。日本の鉄工会社が,製造したプレス機械をア…

懲罰的損害賠償(Punitive Damages)

アメリカでは,補償的損害賠償(compensatory damages)の他,懲罰的損害賠償(Punitive Damages)が認められることがあります。 補償的損害賠償は,日本でも認められる相当因果関係のある損害の賠償のことです。 これに対し,懲罰的損害賠償は,実際の損害…

どこの国の法律を準拠法にするか① 「当事者自治の原則」

当事者自治の原則(Prinzip der Parteiautonomie)とは,契約の準拠法については,当事者の意思に委ねるという原則です。法の適用に関する通則法第7条には,次のような定めがあります。第七条 法律行為の成立及び効力は、当事者が当該法律行為の当時に選択し…

インコタームズ CIF

今回は,インコタームズの一つであるCIFについて説明します。 CIFは,Cost Insurance and Freight(運賃保険料込み)の略で,売主が運送費と保険料を負担する取引条件です。引渡しは,売主が輸出港において,買主によって指定された本船上に目的物を置くこと…

Indemnify (補償)とPL責任

Indemnifyとは,「補償する」の意味で,つまり,現在すでに被っている損害と将来被ることが予測される損害を当事者のどちらが負担するかを定める条項です。 Buyer[Seller] shall indemnify and hold Seller[Buyer] harmless from any and all liabilities, c…

コモン・ローと日本法の違い

日本の法律は,制定法主義で定められています。 つまり,国会で作られた制定法が法律として効力をもつ制度です。 裁判例や慣習・条理などは,法律の解釈を助けるための参考資料になるだけです。他方で,英米では,コモン・ロー制度がとられています。 この制…

ディスカバリー(日本とアメリカの違い)

日本とアメリカの民事訴訟手続で最も異なると言われているのが,Discovery(証拠開示手続)の制度です。 この制度は,法廷でのtrial(審理手続)の準備のために,当事者双方が互いに質問したり第三者に質問したりして証拠を保全する手続です。 未知の証拠の…

CISG(ウィーン売買条約)

CISGは,United Nations Convention on Contracts for the International Sale of Goodsの略で,通称ウィーン売買条約と呼ばれています。この条約は,国際物品売買契約に関する一般的条項を定めたもので,強行法規は含まれていません。 ですから,当事者が契…

ニューヨーク条約

平成22年10月21日付のブログ「裁判か,仲裁か」で紹介したとおり,国際商取引においては仲裁にいろいろとメリットがありますが,その一つが強制執行の容易性にあります。 強制執行がなぜ容易かと言いますと,ニューヨーク条約が存在するからです。ニュ…

Whereas Clause

伝統的な契約書の冒頭には,Whereasから始まる一文を入れるのが通常です。このWhereas Clauseは,契約に至るまでの背景や,契約の目的などを端的に説明する条項です。 これを入れることにより,本契約がどのような性質を持っているか,最初に心づもりをする…

日本人がNY州の司法試験に受かる方法

最も大切なことは,「割り切ること」です。 つまり,我々普通の日本人(帰国子女などではなく,普通に日本の学校教育を受けてきた人)は,英語力で本場アメリカ人に勝ろうとすることを目指さないことです。 他方で,日本人は,アメリカ人よりも優れた論理力…

仲裁か,裁判か

外国の企業との間で契約書を作成するときに,紛争解決方法を定めておく必要があります。定める紛争解決方法には,大きく分けて,訴訟(裁判)と仲裁があります。訴訟も仲裁も,法律に基づいて判断が下される点では同じですが,仲裁は,中立的な紛争解決手段…

不可抗力 Force Majeure

英米契約法には,日本法でいう不可抗力や大陸法でいうForce Majeureの概念がないので,契約の中で何も規定していなければ,非常に限られた場合を除いて不可抗力による免責は得られません。ですから,英米法系の法律を準拠法とする場合,何らかの避けられない…

英語が難しい?

昨日,別件でたまたまNY州の司法試験の参考書を見返す機会がありました。 今読んでも,勉強していたころが昨日のように甦り,すっと頭に入ってくるのですが,同じ英文を英語を勉強していない別の人に読んでみてもらうと,「こりゃ難しいな」と言うのです。…

"Here-"の使い方

契約書の条項の中に,よくhere-で始まる単語が出てきます。これは,"this agreement"と同義で,「本契約において〜」という意味で使われます。例えば, Herein (= in this agreement) 「本契約において」 Hereto (= to this agreement) 「本契約に対し」 Her…

FOB(インコタームス)

インコタームスの1つであるFOBについて説明します。FOBとは,Free On Boardの略で,日本語では「本船渡し」と呼ばれています。 売主が,商品を船に乗せるまでの費用と危険を負担する,という約束です。つまり,売主は,買主が手配した本船まで商品を…

インコタームズ 1

インコタームズ(Incoterms)は,International Commercial Terms を組み合わせた合成語です。 国際間の貿易においては,輸出者と輸入者との間でどのような条件の下で物品を引き渡すか,その義務と権利の関係が争いになることがあります。例えば,輸送途中に…

信用状の活用

貿易においては,信用状は大変重要な役割を果たします。信用状(L/C, Letter of Credit)とは,信用状発行銀行(輸入者の取引銀行)が信用状の名宛人である輸出者及び輸出者の振り出した為替手形の受取人などに対して,信用状に記載した条件に一致した荷為替…

リーディングで伸ばす!

日本人の多くは,外国人との会話ができないことにコンプレックスを抱き,リスニング,スピーキングに力を入れています。 しかし,純粋日本人の私たちが,多少なりとも英語を聞いたり話したりできるようになったのは,大量の英語を短時間で読むことを繰り返し…

"shall"と"may"

英文契約書の中に,“shall”や“may”という助動詞が使われることがよくあります。 では,この2つの違いは何でしょうか。 端的に言うと, shallは,義務, mayは,権利です。 つまり,shallが使われている場合は,「〜しなければならない」のに対し,mayが使わ…

準拠法

管轄がある裁判所は,次に,どの国の法律を適用するかを検討します。 それが,「準拠法」の問題です。 準拠法がどの国のものかは,「法の適用に関する通則法」(以下,「通則法」といいます)によって判断されます。 通則法7条によると,「法律行為の成立及…

国際管轄

日本の会社がアメリカの会社に物品を輸出する場合,どのような契約を作成したらよいのでしょうか。 基本的には,売買契約です。 この契約書の中に管轄の定めがなければ,当事者間で問題が生じた場合に,どちらの国のどこの裁判所で解決が図られるか,争いが…

本当に国際商取引は難しいのか?

取引の相手方が外国の場合,まずは,管轄の問題があります。 つまり,どこの裁判所で,どの法律を使って解決するのか,難しい法律問題があるのです。また,外国企業との取引は,文化が日本とは大きく異なることがあります。 初めて取引をするときには,こち…